今回のお相手:加賀一輝さん
スポーツメディアの編集者を生業としている。子どものころから野球が好きで、プロ野球選手になりたかった。大学に進むときに名古屋から東京にやってきた。不動産で働いた後、フリーのアナウンサーやライターになり、今はスポーツ専門情報サイトを運営する会社で働いている。2015年の野球シーズンが始まる前には、今ロサンゼルス・エンゼルスの選手である大谷翔平選手のムック本にライターとして参加した。中日ドラゴンズを応援して25年。
子ども取材班
No.1 ケイティ:
空手や書道を一生懸命がんばっている。空手で館長賞を取ったことが嬉しかった。
No.3 ゆう:
英語や水泳を一生懸命がんばっている。英語のスピーチコンテストに選ばれたのが嬉しかった。
生活をするためにお金を稼ぐ仕事のことを「生業」といいます。おしごとメディアNARIWAIでは、働く大人に「仕事」と「お金」の関係についてお話を聞いていきます。
今回のゲストは加賀一輝さん。スポーツメディアの編集者です。編集者って、いったいどんなお仕事なのでしょう?
ケイティ・ゆう:
よろしくお願いします。
加賀さん:
よろしくお願いします。
かっこいい大人になりたかった
ケイティ:
加賀さんは今までどんなお仕事をしていたんですか?
大学を卒業して、不動産っていう家や土地を売ったり貸したりする仕事をしました。それからアナウンサーになって、ライターをして、そして今の会社に入りました。
ゆう:
アナウンサー!私もなりたいです。子どもの頃はどんな大人になりたかったですか?
かっこいい大人になりたかったです。小学生のとき野球をやっていて、テレビの向こう側で野球をやっている大人たちがかっこよくて。ケイティとゆうちゃんくらいの年齢のときには、プロ野球選手になりたいなぁとか、何か野球でお仕事したいなぁというのは思っていました。
仕事は、スポーツをおもしろくすること
ケイティ:
今のお仕事はどういうことをしているんですか?
スポーツのニュースや、「速報」といって今起こっていることをみんなに伝えたり、もっとみんながスポーツを好きになってくれるような文章を作ったりする仕事です。
ゆう:
つまり一言でいうと……
スポーツをおもしろくする人かな。
ケイティ:
おもしろくかぁ。詳しく言うと、編集ってどういうお仕事なんですか?
おぉ、編集っていう言葉を知ってるんだね?
ケイティ:
言葉は知ってるけど、あまりよくわからないです。
そうだよね、まだよくわからないよね。編集には文章が必要だけれど、自分で文章を書く仕事とはちょっと違います。書く人のことはライターといいます。吉川さん(※NARIWAI編集長)も実はライターなんですよね。
吉川:
ええ、実は(笑)
ケイティ・ゆう:
そうなんだ!
きんちょうしながら、加賀さんに聞いてみたいことをしつもんします。
みんなに届けるためのアイデアを考える
ぼくは今、インターネットのウェブや携帯のアプリで、何を載せたらもっとみんなが見てくれるかな?スポーツを好きになってくれるかな?というのを考えたり、実際にやってみたりしています。
その中のひとつとして、今、はやっていることや、もっとみんなに知らせたほうがいいことを見つけます。そこから考えたこと、企画したことを、どうすればみんなにちゃんと届くんだろう?とさらに考えるんです。
企画=アイデアを出して計画を立てること
そのために、ライターに「今こういうことを考えているので、こういうことを書けませんか」とお願いをします。何を書いてもらうのか考えるのも編集です。会社の中でもいろんな担当がいるので、相談をして進めていきます。
担当=係
ケイティ:
わたしのお父さんは本の編集をしているんですが、ウェブメディアの編集との違いはどういうところですか?
本は多くの時間をかけて作っていくと思います。200ページぐらいになることもある。本って何年もかけて企画したり、書いたりするんです。でもぼくらウェブメディアは、なにか物事が起こったら、2時間で「このことについて書いてもらえますか?」とライターにお願いをして、早くみんなに届くようにする、ということも多いですね。
最近はもうちょっと時間をかけて、連載というものを作り上げることが多くなってきました。連載というのは、一つのテーマについて詳しく続けて書いていくことです。
ケイティ:
2時間で作るって大変ですよね。
ライターは急いで書かないといけないので、ぼくらより大変だと思います。編集者はそれをかっこよくまとめたり、「これすごくいい!よくできているので、みんなが分かる目立つところに置いてください!」というお願いをしたりもします。
いいものをそのままお届けする。書いてくれたものをかっこよくまとめてみんなにお届けするっていうのが、主な仕事のひとつです。書く人と読む人をつなげる役割もありますね。
さっきも少し言ったけれど、ぼくにもライターの経験があります。なのでスピードを持って現場に行くことができます。毎日いろんな原稿を書いて、待っている人に届けることもありましたね。
生まれ変わってもスポーツにかかわりたい
ゆう:
今のお仕事の魅力はなんですか?
自分がスポーツをやっていたり、観たりする人ってけっこうたくさんいると思うのね。でもその反応をみんなに伝えられる職業って少ないんですよ。
今の仕事は、「やってて良かったな」「生きててよかったな」と思う瞬間があります。特に野球のすごいことや楽しいこと、おもしろいこと、すばらしいことを伝えて届けられて周りの人たちに「よかったね」「あれよかったよ」と言ってもらえたときはすごく嬉しいです。
ゆう:
お仕事の中で大変なことはありますか?
2人のお父さんは月曜から金曜までお仕事かな?
ケイティ・ゆう:
はい。
ぼくの職業は、土日も働いている日がけっこう多いんです。あまり友達と遊べなかったり、みんなが休みの間にも働いている、ということもあります。予定を合わせにくくなるのはちょっと大変かなと思うことがたまにあるかな。仕事の内容で大変なことももちろんあるけど、それはなんとかなると思っています。
ケイティ:
じゃあ、今の会社で楽しいことはどんなことですか?
当然スポーツが好きな人が多いので、深い話やおもしろい話ができるのが楽しいですね。そこで同じことで笑えたりするし、友達ではないけれどみんなと楽しくお仕事ができています。
ゆう:
生まれ変わってもこの仕事がしたいですか?
生まれ変わっても今の会社にいるかどうかはわからないけれど、みんなに「野球って楽しいんだよ!」「スポーツって楽しいんだよ!」ということを伝える仕事はしたいと思っています。今だったら夢が叶って野球選手になったとしても、SNSなどを使って野球の楽しさを自分から伝えられる時代です。
スポーツについて何かを伝える仕事、届ける仕事はしたいなぁと、多分生まれ変わっても思うでしょうね。
ケイティ:
今の子どもたちに加賀さんの仕事をおすすめできますか?
みんなと一緒に遊びに行きたいとか、休みたい気持ちの方が強かったりしたら、運よく編集者になれたとしても大変な思いをするかもしれません。
スポーツが好きな人やみんなに「ねぇねぇこういうことがあったんだよ、こういうことおもしろいよ」というのを伝えたいという思いがある人や、スポーツへの熱い思いがある人だったら自信を持っておすすめしますね。
加賀さんは、とにかく野球やスポーツが大好き。
編集者としての仕事や思いを、わかりやすく伝えてくださった加賀さん。
後編は、「仕事」と「お金」の関係についても聞いていきます。
【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:ケイティ、ゆう
編集部:スナミアキナ、吉川由
写真・ライティング:吉川由
サムネイルデザイン・編集:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO