インタビュー記事

第5回 人と人との想いをつなぐ 「コンテンツディレクター」 かじわらまみこさん【前編】

©️鈴木ヘレン

今回のお相手:かじわらまみこさん

コンテンツディレクターという仕事しごと生業なりわいとしている。香川県出身かがわけんしゅっしん。学生時代じだいから香川県外にんでいたが、今は家族かぞくで香川にもどってきてらしている。二人の子どものママ。スポーツが好きで、生まれわったらアスリートになりたいともおもっている。でも人前ひとまえはちょっと苦手にがて

子ども取材班しゅざいはん

No.3 るったん:
勉強や書道しょどうを一生懸命けんめい頑張がんばっている。将来しょうらいゆめはディズニーの社員しゃいん


生活をするためにお金をかせぐ仕事のことを「生業なりわい」といいます。おしごとメディアNARIWAIでは、働く大人に「仕事」と「お金」の関係についてお話を聞いていきます。
今回のゲストはかじわらまみこさん。コンテンツディレクターです。コンテンツディレクターって、いったいどんなお仕事なのでしょう?


るったん:
よろしくおねがいします。

かじわらさん:
よろしくお願いします。


作りあげるということが楽しい


るったん:
子どものころ、どんな大人になりたかったですか?


子どもの頃、ずっとバドミントンをならっていました。選手せんしゅになりたいと思ったこともありました。それとは別に、バリバリ働く女性じょせいになりたかったです。なにがやりたいとかはとくになかったんですけどね。


るったん:
なぜそう思っていたんですか?


バドミントンは、その世界せかい目指めざしている選手がいました。その人のようにみんなを感動かんどうさせる選手になりたかったからです。

働く女性は、なんだろう……母親ははおや専業主婦せんぎょうしゅふだったんだけど、自分はそうではなく、働いていろんな人とかかわったり何かを作りだしたりしたかったんです。だからかな。


専業主婦=料理、洗濯、掃除など、家でのことを仕事にしている人。


るったん:
バドミントンの選手にあこがれてたんですね。


はい、宮村愛子みやむらあいこ選手に憧れてましたね。


宮村愛子選手=アトランタオリンピックにも出場したバドミントン選手。


るったん:
かじわらさんの職業名は何ですか?


うーん……ウェブコンテンツのディレクションというのをしているんですが、何と言っていいのか。


るったん:
コンテンツディレクター?


それにしよう!(笑)


るったん:
調しらべたら出てきました。


え、今調べながらやってるの!?すごいな!(笑)


るったん:
Google先生で聞きました(笑)。つまり何をしているお仕事なんですか?


私は香川に住みながら、県外の企業きぎょうのコンテンツディレクションをしています。はなれているスタッフと連絡れんらくり合いながら、その企業や商品しょうひんのこと、スタッフのおもいなどをってもらうために、必要なコンテンツを見つけ出すお仕事です。

コンテンツというのはおもにブログですね。私はスタッフのみなさんに「こういう記事を書いてくださいね」とたのんでいます。そうやってその企業やスタッフのことが届いてほしい人のところに届くような記事作りができるよう頑張っています。


Google=会社のひとつ。インターネットでものごとを調べるときに使われるシステムを作っている。入力するだけでいろんなことがわかるので、わざと「先生」と呼ばれることがある。

コンテンツ=メディア(情報を手に入れるときに使うもの)で使われる文字、音声、動画などのこと。ブログやYouTubeなどもコンテンツのひとつ。

ディレクション=監督のような仕事。予定を立てたりみんなをまとめたりして、どうすればうまく進められるかなどを考える。そして実際に進めたり指示をしたりすること。

企業=会社のこと。

構成=まとめたり組み立てたりすること。


Google先生で調べながら取材をしていました


るったん:
なぜその仕事をしようと思ったんですか?


ある日突然、頼まれたの!(笑)


るったん:
えっ!(笑)


もともとコンテンツディレクターを目指していたわけではないんです。前に働いていた会社で「ブログを使って商品を広める仕事があるんだけどやってくれないか」と頼まれたんですよ。やったことはなかったけど、だからこそ挑戦してみたいなと思ったんです。

その会社では今は働いていないけれど、その仕事を通して得た知識や経験を活かしてやっています。


るったん:
頼まれて始めたのに、今も続けているんですね。


そうそう。今はどこの会社にも入っていないフリーランスになりました。この人たちのために頑張りたい、もっと知ってもらいたい、広めたい、と思える方々に出会えたから続けているのだと思います。


フリーランス=会社につとめるのではなく、自分の持っている力と仕事をむすびつけながら、自由に仕事内容しごとないようめて働いている人のこと。


るったん:
今の仕事は、面白おもしろそうだなと思ったからやってみたんですか?


そうだね。もともとなにかを生み出すことが好きなんです。簡単ではないけれど、そこに関わっているいろんなことを考えながら作り上げることが楽しいです。


©️Kuppography

毎日充実して働いているかじわらさん


誰かの心に響くようなコンテンツを作りたい


るったん:
どういうブログ記事を書いているんですか?


どんな記事にも目標もくひょう(ゴール)や目的を決めます。それは誰かの役に立つものなのか、背中せなかを押せるようなものなのか、その会社に入りたくなるようなものなのか、というように。内容はその会社やスタッフの想いや仕事や商品のことなど内容はいろいろあるけれど、読んでもらった人の心にひびくようなコンテンツを作りたいと思ってやっていますね。


るったん:
どうやったらコンテンツディレクターになれますか?


「インターネットの中で情報じょうほうはどうやって見つけられるのか」などについて勉強をすると、コンテンツ作りについてだんだんわかるようになってきます。勉強をしつつたくさん記事を書くなどして、自分の頭と体を使って学んでいくのがおすすめです。


るったん:
資格しかく必要ひつようですか?


いらないです。でもさっき言ったように、勉強し続けることが大切だと感じています。


るったん:
この職業の魅力みりょく大変たいへんだと思うことは何ですか?


魅力は……私にとっては2つあって、1つ目は日本全国どこにいてもできること。
県外の企業さんと香川にいても仕事ができて、家にいながら働けます。

2つ目は、やったらやったぶん良くも悪くもしっかり反応はんのうが返ってくること。記事を読んだ方の嬉しい反応やそれに対するスタッフの反応を直接知ることができる。そこがやってよかった、頑張ってよかったと思える魅力です。

大変なことは、算数さんすうみたいに絶対的ぜったいてき正解せいかいがあるお仕事ではないこと。それを探すために、少しでも良い結果けっかにつながるように頑張らないといけないことですかね。あ、スタッフに会いたいときにすぐ会えないことも私にとっては大変なことです。


絶対的=「1+1=2」のように、決まったこたえがあること


日本全国どこにいても働けるのが魅力のひとつ


想いや強みを形にする


るったん:
なるほど……。かじわらさんは広告こうこくを作っているわけではないんですか?


はい。記事自体がたくさん読まれて、広告のようになったら良いなぁと思っています。作っている記事はブログといっても日記のようなものではないんです。

例えば写真をる仕事の会社なら、写真の役割とは何か、どんな想いで写真を撮っているか、どうすればおうちでも綺麗きれいな写真が撮れるか、などの記事を作ります。写真にかんすることを検索けんさくしたときに、「役に立ったな」「わかりやすいな」「写真を撮ってもらいたいな」「自分でも撮ってみようかな」と思えるような記事を書いてもらうんです。


検索=探すこと


るったん:
かじわらさんは記事を書かないんですか?


そうですね。私は「こういう記事を書いてください」という「構成案こうせいあん」というものを作っています。できたものを見てさらに良くなるよう書き加えたりして編集へんしゅうすることはありますよ。


るったん:
記事の内容はCMですか?


「買ってね!」ということは書かないですね。


るったん:
じゃあどういう部分を書いているんですか?あまりイメージがわかなくて。


そ、そうだよね、難しいよね!(笑)

えーと、今とある写真をる会社のコンテンツディレクションをしています。そこにはカメラマンさんたちが何人かいます。カメラマンさんそれぞれに、写真について思っていることやどんな気持きもちでお仕事やお客様と向き合っているか、などについて記事にしてもらっています。あとは写真の撮り方のアドバイスを書いてもらうこともあります。

私はそういう記事を書き続けることで、カメラマンさん一人一人にファンがついてほしいという願いもあります。

 

だからこれは「お仕事ください!」というアピールではありません。思いがきちんと伝われば、ファンが生まれます。思いがしっかりあれば、お仕事にもつながります。その思いをかたちにするために記事を作っています。私はそれをサポートすることが仕事ですね。


スタッフさんたちを、かげでそっと支えている


るったん:
アピールではないけど、お客さんの反応は記事の前と後で変わりますか?


つながっていくと思います。考えや思いが伝わっていく。普段ふだん、思いを言葉ことばや文字にすることって少ないんですよね。それを形にするってすごく大事だと思います。


お仕事内容や相手への気持ちを、あたたかく丁寧に話してくださったかじわらさん。

後編ではコンテンツディレクターとしての思いや、働くことと「仕事」と「お金」の関係についても聞いていきます。

後編に続く



かじわらまみこさんのSNS




【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:るったん
編集部:スナミアキナ、吉川由
写真提供:鈴木ヘレンKuppography
ライティング:吉川由
サムネイルデザイン・編集:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO