
今回のお相手:森園凌成さん
株式会社ウィルゲートの広報担当。「いい意味で人をおどろかせる」ことが好きで、会社の広報活動をしたり、自分でもブログを書いたりしている。大好きな会社のことを、もっとみんなに知ってもらいたいと思って働いている。カレーをつくったり食べたりすることが幸せ。
子ども取材班
No.1 ケイティ:
空手や書道を一生懸命がんばっている。空手で館長賞を取ったことが嬉しかった。
No.5 かのぴ:
画力を上げることを頑張っている。ソラマチできれいなかんざしを買ってもらったことが嬉しかった。
生活をするためにお金を稼ぐ仕事のことを「生業」といいます。おしごとメディアNARIWAIでは、働く大人に「仕事」と「お金」の関係についてお話を聞いていきます。
今回のゲストは森園凌成さん。広報です。広報って、いったいどんなお仕事なのでしょう?
ケイティ・かのぴ:
よろしくお願いします。
森園さん:
よろしくお願いします。
広報は、自分の会社と社会とのかけ橋になる仕事
かのぴ:
子どものころ、どんな大人になりたかったですか?
実は、大人になっている自分が全然想像できなかったんです。別に大人になりたくなかったわけではないけれど、何をしてるか、どんな人といるか、どこにいるか想像しようとしたんですができませんでした。
でももっといろんなところに行ったり、大人になったりしたらすてきな人に出会えるんだろうとは思っていました。
ケイティ:
大人になった自分があまりイメージできなかったと言っていましたが、将来の夢が決まったのはいつごろですか?
将来の夢もほとんどなかったんですよ。
ケイティ:
そうなんだ!
何かの職業になるということを、目標にできなかったんです。何の仕事をするかより、どんな自分になりたいかは思い描いていました。いろんな国に行って仕事をしたり、いろんな人と話したりしてみたいなとか。
仕事している時間は、基本は平日5日8時間とすごく長いんです。人生の三分の一、人によっては半分くらいを仕事に費やすわけです。せっかくなら楽しいことがしたいと思いましたね。

将来の夢は特になかったけど、その日その日を楽しんでいた
費やす=お金や時間、力を使うこと
ケイティ:
なるほど。森園さんの職業名は何ですか?
広報という仕事を中心に、いろいろやっています。
かのぴ:
つまり何をしているお仕事なんですか?
ひとことで表現するのは悩みますね。広報は本当にいろんなことをやっていて、会社によっても全然役割が違います。
簡単に言うと、自分の会社と社会とのかけ橋となり、自分の会社を好きになってもらう仕事だと思います。
自分を好きになってもらうのではなく、会社を好きになってもらうところがポイントです。ただ存在しているだけだと、会社は何のためにどんな仕事をしているのかわかりません。社会とつなげることで、こういう会社があるんだとみんなに知ってもらうことができます。
そこから会社を好きになってもらうことで仕事の依頼が来たり、会社としてやりたいことが実現しやすくなったりします。
必要な仕事だと思うんですが、イメージしづらいですよね。広報の仕事をしている人に会ったことはありますか?
存在=そこにあること、いること
依頼=ものごとを頼むこと
実現=実際にすることが叶うこと
ケイティ:
ないので、仕事内容を詳しく教えてください!
広報というのは、大きく言うと「社外広報」と「社内広報」の二つがあります。
社外広報というのは会社の外の人、つまり会社のメンバーじゃない人、まだ出会えていない人に会社を知ってもらうための仕事。
社内広報というのは、会社のメンバーにもっと会社のことを知ってもらうための仕事です。僕は社外広報を主に担当しています。
なぜ社内広報があるかというと……例えば、学校のクラスには何人くらい生徒がいますか?
ケイティ:
30人くらいです。
それくらいだったら名前と顔はわかるし、みんなが何をやってるかはだいたいわかりますよね。じゃあ全校では?
ケイティ:
500人くらいかな?
そんなにいるんですね!僕のいるウィルゲートという会社は150人くらいいるんですが、毎日ずっと一緒にいるわけでもないし、途中で新しく入ってくる人もいます。
ウィルゲートだけでなく、どの会社も人数が多いとお互い何をやっているかわからなくなることがあります。そうすると仕事のやる気が上がらなくなったり、何をやっているかわからないのでお願いをしづらくなったりするんですね。
そのためにいるのが社内広報です。社員のコミュニケーションを取りやすくします。
少し話は戻りますが、今主にやっている「社外広報」は、会社の記事やプレスリリースを企画・作成したり、FacebookやTwitterなどのSNSを使ったりします。社員の写真や動画を撮って、編集やデザインもしますよ。
アイキャッチというんですが、記事の最初に載っている、写真にタイトルや文章が入っているものを見たことはありますか?

NARIWAIのアイキャッチ
コミュニケーション=人と人とが思いを伝えあうこと
企画=アイデアを出して計画を立てること
SNS=ソーシャルネットワークサービス。インターネット上でコミュニケーションを取ることができる仕組み
編集=書いたものをよりわかりやすく、伝わりやすくするためにまとめたり組み立てたりすること
ケイティ・かのぴ:
はい、あります。
それもつくります。文章や写真、デザインなどいろんなものを通して、会社がやっていることをみんなに知ってもらいます。
好きになってもらうためには、会社としてみんなの役に立つ情報を出したり、感謝されたりすることができているかが大事です。僕もそういう記事を書くこともあるんですよ。
メディアや新聞などの担当の人と連絡を取るのも、大事な仕事のひとつです。会社のことをちゃんと知らないと、伝えたいことを伝えられませんよね?
なので社内で今どんなことをしているのかを一人ひとりに聞いたり、社長や役員など上の立場にいる人たちに連絡を取って、社員との関係をつくるために話を聞いたりします。
0からプラスを作っていく
ケイティ:
記事をつくるときに工夫していることはありますか?
ひとりよがりにならず、相手の気持ちを考えてつくります。自分だけが満足するものをつくっても意味がありません。いいか悪いかは読んでいる人が決める。読んだ人がどういう気持ちになるのか、喜んでもらえるのか、嫌な気持ちにならないかを考えながらつくっています。
でもそれって、自分だけで考えてもわからないじゃないですか。なので会社の中と外、どちらの人にも話を聞きにいくことがあります。
例えばSNSで記事を読んだ人が「ためになった」とか「すごいな」という感想を言ってくれることがあります。それで、こんな風に思われているんだということにも気づけますね。
それを把握しておかないと、自分たちの伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。
ひとりよがり=自分のことしか考えていないこと
把握=しっかりとわかること

150人くらいの人が働いているウィルゲート
ケイティ:
森園さんが働いているウィルゲートは、どんなことをしている会社なんですか?
もともとはSEOといって、ウェブでのマーケティングのコンサルティングをしています。と言っても難しいですよね。
今主にしていることは二つあり、他の会社へのウェブマーケティングの支援とデジタル化の支援です。
ウェブのマーケーティング支援というのは、「インターネット上で商品やサービスをどう売るか」についてアドバイスするなどの、サポートをすることです。ウィルゲートには、専門の知識がある人、経験や実績を持っている人がいるので、調べたことや経験をもとに「こうしてはどうでしょう?」とアドバイスができます。
このように、その会社の課題や、どうすればその課題を解決できるかを一緒に考え、よりよい仕事をしていけるようにサポートすること。これをコンサルティングといいます。
二つ目のデジタル化支援は、たとえば社内の動きが目に見えてわかるようにデータにしてサポートなどをします。データにすることで、みんながうまく時間をつかえているか、会社がいい調子かそうでないかなどがわかるようになります。
専門=その仕事をしている人だけがわかる、またはできること
知識=いろいろと知っていること
実績=積み重ねてきた成果
課題=解決しなくてはならない問題
ケイティ:
うーん、デジタル化って例えばどういうことですか?
ひとつの例として、データで見えるようにして、行動するときの決める材料にすることがあります。
何をどれだけやって結果が出ているのか、目に見えないとわからないのに、とりあえずでやっていては失敗することがあります。きちんとデータを把握して、それをもとに仕事をしていくこともデジタル化です。
例えばメールのやり取りばかりに時間がかかっていたら、他の仕事が進みませんよね。データをもとに、「そのもったいない時間をどうすればいいか」などのアドバイスをして効率を上げます。
効率を上げる=もったいないをなくして仕事を進みやすくすること
かのぴ:
むずかしい!でもちょっとずつわかってきました。ではウィルゲートでは、広報はどれくらい重要なお仕事なんですか?
広報がいないと会社が潰れる、というわけではありません。でもとても大事な仕事です。何もない状態からプラスを作っていくのが広報なので、0から1に、そして1からプラスにしていきます。広報は時間をかけて知ってもらう仕事なんです。
かのぴ:
時間をかけて?
例えば、モノをつくって売るとしますね?売るにはまず、周りの人にそれがどういうモノかを知ってもらいます。そしてモノだけではなく、それを使うことでどうなるかも伝えます。わかりやすくおもしろく伝えることで、みんなにファンになってもらう。それが広報の仕事です。
また「社内にこういう仕事をしている人がいるんですよ」と伝えていくことで、何年後かにそれがきっかけで、会社に入りたいと思う人が出てくるかもしれません。
すぐじゃなく、時間をかけて芽が出てきます。伝える、知ってもらう、コミュニケーションをとる。それがすぐに成果になるわけではありませんが、いずれ嬉しいことにつながっていきます。
そういう未来があるなら、広報はあったほうがいいですよね?
成果=やり遂げたことで得る結果
ケイティ:
あったほうがいいです!でも成果が出るまで時間がかかるとのことですが、出るまではどんな気持ちですか?
うーんそうですねえ……(笑)。
かのぴ:
頑張らなきゃっていう気持ちですか?
そうも思わないかな。種まきをしている気持ちです。植物を育てる気持ちに近いかもしれないですね。いろんな種をまいていく中で、いろんなことにつながっていきます。成果が出るまでは、楽しみに向かっているんだなと思います。

ウィルゲートでは、この7つを意識して行動する
人をおどろかす仕事がしたい
ケイティ:
去年からコロナで学校の行事などが変わっていますが、広報の仕事でも変わったことはありますか?
いっぱいあります。会社ではなく家で仕事をするようになりましたし、もちろん仕事としての変化もありました。
コロナはみんなが知ってるし困っていることですよね?本当に大きなできごとでした。発信するときは、コロナで困っている人のことをまず考えます。
「こういう風に書いたら悲しい思いをするかも」と気をつけるし、「こうすれば喜んでもらえるかも」と考えながら働いています。そういう変化はすごくありましたね。
発信=いろんな人に知ってもらうために動くこと
かのぴ:
そもそもなぜ広報の仕事をしようと思ったんですか?
いい意味で、人をおどろかすことに全力で取り組める仕事だからです。広報をやる前にも、記事をつくる仕事やマーケティングなどいろんなことをしてきたけど、その時も同じ理由で仕事をしていました。
おどろきといってもいろんな意味があって、僕の場合は「気づきを与える」とか「おもしろい」「楽しい」と思ってもらうことです。ゼロからプラスをつくれるということが、とにかく好きなんです。
もし「毎月お金を100億円あげるから何もしなくていいよ」と言われても、人をおどろかせることができる仕事をし続けると思います。
かのぴ:
なるほど。
会社に入ったときから、もともと広報をやりたいと思っていました。最初は違う仕事をしていたんですが、自分でブログを書いたりコンテンツをつくったりして、広報に興味があることは会社に伝えていました。
会社が広報に力を入れていこうというタイミングで「やってみないか」と相談されたのがきっかけですね。ぜひやらせてくださいと答えました。
ブログ=インターネット上で書く日記のようなもの
コンテンツ=メディア(情報を手に入れるときに使うもの)で使われる文字、音声、動画などのこと。ブログやYouTubeなどもコンテンツのひとつ
ケイティ:
いまいちと思っても続けていけるのはすごいです。森園さんはどうやって広報という仕事を学んだんですか?
実は僕も最初は悩みましたが、やったことは二つあります。社外の情報をたくさん集めることと、社内の情報を知ることです。
社外の広報の人がどういうことをしているか、またどういう目標を立ててやっているかを知ろうとしました。ネットで調べたり、実際に広報の人に会って聞いたりしましたね。
本もたくさん読みましたよ。広報と名のつく本を10冊くらい買って、一気に読みました。そうするうちに、大事だと思うことが見つかってくるんです。
広報の仕事は、会社の成長や利益につながることが一番。会社の理想は何なのかを社内の人たちに聞いて、ゴールを決めました。頂上がわかるとそこに向かって進んでいくことができますから。
そういうことを社内の人たちと一緒にやってきましたね。
利益=もうけ。プラスになったお金
理想=こうありたいと思う、目指す姿

野球も広報も、チームワークが大切
かのぴ:
以前から広報に関心があったのに、なぜ違う担当をしていたんですか?
広報以外の仕事に興味があったからなんです。会社に入ってすぐの頃は、記事のチェックをしていく仕事でした。自分で書くのではなく、書く人と一緒に記事をつくって、「この記事を使ってください」と他の会社に伝えていく仕事です。
ウィルゲートはマーケティングに詳しくて強い会社です。伝えたいことをどうやってみなさんに届けていくか。それがマーケティングです。世の中に記事はたくさんあるので、いいものをつくっているだけでは読まれません。どうやって届けていくのかがわからないと、読まれるべき人に読まれないのが難しいところです。
それを実際に学んでいくためには、広報よりまずは記事を作って勉強していこうと思いました。
人に伝えるときに、言葉やデザインを使います。ちゃんと理解すること、そしてちゃんと出せるかどうかが大事です。広報をしている人は、もともと違う仕事をしてきた中で身についたことを、広報で活かしていく人が多いような気がします。いろんな経験が活きる仕事ですね。
広報のお仕事について、詳しく丁寧にお話ししてくださった森園さん。後編では好きなことや大切にしていること、そして働くことや「仕事」と「お金」の関係についても聞いていきます。
森園凌成さんのSNSと会社ホームページ
【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:ケイティ、かのぴ
編集部:スナミアキナ、吉川由
ライティング:吉川由
編集:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO