
今回のお相手:Prius Shotaさん
「心に灯す光と色彩のパレット」をテーマに、アーティストという仕事を生業としている。撮った写真に色彩の魔法をかけている。夢は世界中でアートを通して癒しの時間と空間を届けること。小学1年生から英語を勉強していて、それから世界中の人と交流したいと思うようになった。ニックネームはプリちゃん。
子ども取材班
No.1 ケイティ:
空手や書道を一生懸命がんばっている。空手で館長賞を取ったことが嬉しかった。
No.3 るったん:
勉強や書道を一生懸命頑張っている。将来の夢はディズニーの社員。
生活をするためにお金を稼ぐ仕事のことを「生業」といいます。おしごとメディアNARIWAIでは、働く大人に「仕事」と「お金」の関係についてお話を聞いていきます。
今回のゲストはPrius Shotaさん。アーティストです。アーティストって、いったいどんなお仕事なのでしょう?
ケイティ・るったん:
よろしくお願いします。
Priusさん:
よろしくお願いします。
空想が好きだった子ども時代
るったん:
何で名前がプリウスなんですか?
大学のときのニックネームです。寮で生活をしていて、その先輩から名づけられたんです。好きな車がプリウスだったから(笑)。
寮=その学校の生徒や会社の社員が、集まって暮らす場所
プリウス=TOYOTAの車の種類のひとつ
るったん:
そうだったんですね!プリウスさんは子どもの頃、どんな大人になりたいと思っていましたか?
なんでしょう、あまり大人の頃を想像していませんでしたね。
その時その時の生活を楽しんでいました。ただ英語を小学1年生のときから勉強していたので、世界中のみんなと働いたり海外で仕事をしたいと思っていました。
ケイティ:
なぜ世界中のみんなと交流したいと思ったんですか?
英語を勉強し始めてから、英会話スクールの宿題でビデオを見たんです。
そこには世界中の人が出演していました。その人たちと話したい、仲良くなりたいと思ったんです。スクールに行ってなかったら、きっとそうは思わなかったでしょうね。
友だちになれたほうがもっと自分の中の心も広くなるだろうし、可能性も大きくなると思いました。日本語だけではなく、英語を話せれば世界中の人と話すことができますから。
出演=作品に出ること
可能性=できるということ
るったん:
憧れていた人はいますか?
それがですね……誰もいなかったんです。自分の頭の中にある空想の世界が楽しかったので。
空想=実際にはないことを頭の中で想像すること
ケイティ:
例えばどんな空想をしていたんですか?
例えば……小学生の頃、ポケモンが好きだったんです。オリジナルのポケモンを100匹くらい紙に描いたりしていました。ゲームが好きだったので、その世界を中心に空想していました。
現実よりはゲームの世界を生きていたような気がします。
現実=今ここにある本当の世界
るったん:
今は憧れている人はいますか?
今はいます。
活躍されている方っていっぱいいるんですよね。そういう人たちに近づけるようになりたいと思います。
活躍していたり、頑張ったりしている人たちに憧れています。そうなりたいですね。

写真をフォトアートに!
光と色彩の魔法使い
るったん:
Priusさんの職業名は何ですか?
アーティストです。
るったん:
つまり何をしているお仕事なんですか?
撮った写真に光と色彩の魔法をかけて、見る人に癒しを届けています。
フォトアートをたくさんの人に知ってもらったり、作品を販売したりしてお仕事しています。
色彩=色、いろどり
ケイティ:
どうやって光と色を写真に載せてるんですか?
魔法を使っています!
ケイティ:
えっ、どうやってですか?
ふふふ(笑)。
今はスマホやタブレットのアプリで、自分で自由に光と色彩をいじることができるんですよ。
私は写真に魔法をかける、魔法使いなんです。こんな風に。

光と色彩の魔法をかけた作品
ケイティ:どうして淡い色にしようと思ったんですか?
絵画の世界で、モネという人がいました。そのモネの作品って、光や色彩が淡いんです。私は昔からモネの作品が好きなんです。自分が写真に魔法をかけようと思ったときに、大好きなモネの感じを出したかったから、淡い色にしています。
絵画=芸術としての絵のこと
るったん:
モネも淡い色なんですね。では、仕事内容を詳しく教えてください。
ギャラリーを作って、そこに遊びにきてアート作品をみて楽しんでもらうという、「個展」を年に一回するかしないかのペースで行っています。
飾っている作品はもちろん、スマホケースやハンカチ、トートバッグといったグッズもデザインしているので、それらをギャラリーまたはオンラインストアで販売しています。
作品は額に入れています。個展の様子は、こんな感じです。
ギャラリー=自分だけの作品がたくさんかざってある部屋
オンラインストア=インターネット上にあるお店

ケイティ・るったん:
うわあ!
きれいでしょ?
ケイティ:
きれい!癒される!
たくさんの見てくれる人に癒しを届けていきたい。自分の作った作品はこうして展示しています。レイアウトも自分で考えますし、グッズも展示して販売しています。
来てくれた人に見てもらうことはもちろん、個展や販売、デザインなど、お仕事は結構いろんなことをやっているかな。
レイアウト=何をどこに置くか、飾るかなど
るったん:
個展を開くまでにはどのくらいかかりましたか?
作品ができてアーティストとして生きていこうと思ったのは、2016年ですね。そして2018年に初個展を行いました。2年ほどかかりました。
表現し続けてこそアーティストになれる
ケイティ:
どうやったらアーティストになれるんですか?
これはですね、なかなか難しい道だったりしますが……まずは作品を作ってみること。下手でも全然かまわないから、心で感じたままに表現してそれを続けること。ずっと続けられることが一つの条件です。
その時代によっても変わるでしょうけど、今日みたいに先輩たちにお話をたくさん聞くことが近道かな。なりたい、目指したいのであればとにかく作品を作り続ける。子どもの頃から大人になってもずっと。方向が変わるのはOKだと思いますが、心で感じていることを表現することが大事ですね。
たくさんの人に見てもらうこと、自分の作品を好きと言ってくれるファンをたくさん作ること、アーティストとして頑張っている友だちをたくさん作ること、大人になっても勉強し続けることをやめないこと。これもまた大事なことだと思います。
条件=ものごとを決めたり実際に行ったりするために必要なこと
るったん:
いつごろからアーティストになりたいと思ったんですか?
大学を卒業して、会社で働き始めたくらいです。ファッションのお仕事をしていた時にカメラを買って、撮ることに夢中になりました。そこで写真にのめりこんで、それを仕事にしたいなと思ったんです。花嫁さんなどを撮る仕事を2年ほどしていました。その頃にはもう自分の作風ができていましたね。大人になってから、アーティストになりたいと思いました。
作風=作品に表れる特徴

淡い色がPriusさんの作風のひとつ
るったん:
資格は必要ですか?
ラッキーなことに必要ないんですよ(笑)。でもその分、個展をしたくても作品が30個はないと魅力があんまりないかもしれません。それくらいの作品ができて、みんなに見てもらいたいなと思ったタイミングで個展をする。見てもらうための作品が必要です。
資格がいらない分、いろんなことを勉強して、体験して、感情をたくさん味わって、心を磨いていくことが大切です。
「今日の空はとてもきれいだな」「おいしいご飯を食べることができて幸せだな」など、そういう小さなこと一つひとつに、感動や喜び、感謝をずっと忘れない心を持てるようになると、すてきなアーティストになれるのではないかと思います。
感情=喜び、怒り、悲しみ、楽しさなど、感じる気持ちのこと
ケイティ:
30個って大変でしたか?
余裕でした。毎日のように作っているから。お休みする日はないので、そうすると1か月に30個はできる。2か月だと60個近くはできる。そこまで難しくはなかったですね。四六時中作品のことや次に何を撮ろうかとか考え、楽しみながら続けていますから。さぼったり休んだりしていたらなかなかできません。はじめは大変かもしれませんね。好きだからこそたくさん作れるんだと思います。
四六時中=一日中ずっと
るったん:
撮影に行った時ではなくて、出かけたときにお花など「きれいだな」と思ったら、それを撮って作品にすることもありますか?
大正解、その通り!花や空がすてきだなと思ったらその時に撮っています。今だったらアジサイなどたくさん撮りましたね。
撮ってから魔法で水滴を加えたり、花が蛍の光を放っているかのような作品にしたり。水に浮かんだ感じやグラデーションなど、一人で興奮して作ったりします。
魔法をかける前はこんな感じです。

魔法をかける前

魔法をかけた後
グラデーション=その色を残しながら、少しずつ色が変わっていること
ケイティ:
全然違う写真になりますね!Priusさんはアーティストになってどんな体験をしてきたんですか?
いろいろありますね。ハッピーな体験もあったしつらすぎてどうしよう、という悲しい体験もありました。
自分の作品を作って発信すると、作品を好きと言ってくれたり買ってくれたりする人がいます。それって、心からハッピーだし嬉しすぎることです。自分の作品がお金になるわけですから。
でも、世の中には人気のアーティストがたくさんいるので、人と比べてしまうことがあります。自分はたいしたことがないんじゃないかと、モヤモヤが晴れない時もあります。
ただどんな仕事についても、嬉しいことや苦しいことはありますけどね。
発信=いろんな人に知ってもらうために動くこと
ケイティ:
ハッピーなのはいいですね。作品で工夫しているところはどこですか?
淡い感じや色のグラデーションのバランスはすごく気をつけています。ぜんぶ自分でやっていくことで体に染みついているので、自分の中のルールに従っています。これはこだわっているところですね。
従う=その通りにすること
―作品について詳しくお話ししてくださったPrius Shotaさん。ここからはアーティストとしての思いや、働くことと「仕事」と「お金」の関係についても聞いていきます。
Prius Shotaさんのホームページ
【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:ケイティ、るったん
編集部:スナミアキナ、吉川由
ライティング・編集:吉川由
サイトデザイン・構成:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO