今回のお相手:梅﨑泰佳さん
会社の紹介の動画やパンフレットをつくるクリエイターという仕事を生業としている。岡山県出身で、今も住んでいる。人の役に立ち、人を幸せにすることが幸せだと感じている。仕事以外では、「瀬戸内かわいい部」の部長として瀬戸内のかわいいものを紹介したり作ったりする活動をしている。
子ども取材班
No.1 ケイティ:
空手や書道を一生懸命がんばっている。空手で館長賞を取ったことが嬉しかった。
「働く」と「お金」について
―ここからは、「働く」ことと「お金」の関係についてもお聞きしていきましょう。働く大人はこの二つについてどのように考えているのでしょう?
ケイティ:
「働く」ということについてはどう思いますか?
「はたを楽にする」という言葉があります。「はた」は周りのこと。周りの人を楽にすることから、働くという言葉ができたと聞いたことがあります。
自分ができることや得意なことで周りを楽にすることができます。それぞれが働くことによって助け合い、みんなでやっていくという良い仕組みだと思います。
ケイティ:
みんなで協力をするということですね。
そうそう、生きていくために。
ケイティ:
協力するとどんないいことがありますか?
生きていく中で、時々いろんな困ったことが起きます。
私が一人ではできないことも、みんなで協力すればできる。誰かができないことを自分がやって、自分ができないことを誰かがやって。
みんなで協力しながらやっていくって大切なことだと思います。
ケイティ:
私もそう思います。「お金」についてはどう思いますか?
すごく大事なものだと思いますし、ありがとうの気持ちだとも思っています。ありがとうが形を変えてお金になっている。
例えばチョコを買ったとしたら、作ってくれた人や売ってくれた人、運んでくれた人たち全員に直接お礼を言うことはできません。だからお金でお返しをする。何かしてくれた人に対して、お金があればすごく便利にお返しができると思います。
ケイティ:
みんなに直接はお礼を言えないですもんね。「お金を稼ぐ」ということについてはどう思いますか?
お金はどんどん稼いだらいいと思います。それだけたくさんの人からありがとうの気持ちをもらえているということであり、たくさんの人を幸せにしたり助けたりしていることだと思います。
ケイティ:
そのお金で海外に行けたら楽しいですね。
そうですね!どんどん稼ぎたいと思います!(笑)
海外での出会いが、将来について考えるきっかけになった。
ケイティ:
お給料はどうやって決まりますか?
まずお仕事の依頼を受けた会社から、私の会社にお礼のお金をもらいます。
そこからかかった費用(パンフレットの印刷、カメラマン代など)を引いて残ったお金が利益になります。それをみんなで分け合って、わたしのお給料になります。
費用=かかる、またはかかったお金
利益=もうけ。プラスになったお金
ケイティ:
満足していますか?
今のところ満足しているけれども、もっと稼ぎたいと思っています。
会社の説明会で、大学生とやりとりをしている梅﨑さん。
人の役に立つことが、自分の幸せ
ケイティ:
やすかさんは何のために働いているんですか?
人の役に立つためです。
生活していくためにお金を稼ぐというのはあるけれど、それ以上に自分が作ったものが人の役に立ったり感謝されたり、働いている人が楽しくなるということが嬉しいし楽しいです。毎日頑張ろうと思えます。
そのために働いているというのがかなり大きいですね。
働くことは面白いです。大変なこともあるけれど、それを全部忘れてしまえるほど感動することもある。
私は、一生働かなくてもいいだけのお金を手にしたとしても、働き続けると思います。
ケイティ:
役に立つって、やすかさんにとっていいことなんですね。
そうだね。
人に「ありがとう」や「助かった」と言ってもらえると、私って生まれてきてよかった、生きててよかったって思えます。それがないと、自分って何のために生きているのかな?と思う時があります。
毎日ご飯を食べてゲームしたり漫画を読んだりして、ただ生き延びることはできる。でも、人にしてもらってばかりで自分は何もしない、というのは自分にとって意味がない気がします。人の役に立てているということがすごく嬉しいですね。
小さい頃好きだったことが、今の仕事につながっている。
ケイティ:
「働く」と「お金の関係」についてはどう思いますか?
働くというのは、みんなで協力をして役割分担をしていくということだと思います。お金があると、役割分担をする仕組みがうまくいくんじゃないでしょうか。
ただ自分の仕事の意義や価値は、自分で見出すべきものだとも思います。自分の仕事が誰を幸せにしているのか、何の役に立っているのか、どんな影響を与えているのかを考えながら働くと、仕事がもっとおもしろくなると思います。
役割分担=手分けすること
意義=意味や価値のこと
価値=どれほどすばらしいか、またどれくらい大切かということ
ケイティ:
では最後に、子どもたちにメッセージをお願いします!
もしうまくいかないことがあって「自分なんか」と思ったときは、それは今いる学校や家という狭い範囲でできていないだけです。自分が輝いたり、得意なことを活かしたりできる世界が他にある。
いろんな未来の可能性・選択を今から知っておいて、自分が一番幸せでわくわくする生き方を見つけてほしいです。
子どものうちから、仕事に興味をもっていろんな大人に話を聞いたり調べたりすることってとても大切だと思うんですよね。世の中にはいろんな大人がいて、いろんな仕事がある。
大人になったとき何も知らなかったら、自分の職業を身の回りにいる大人の仕事の中から選びがちです。でも今からこんなにいろんな仕事があることを知っていたら、その中から一番自分がやりたい、自分にぴったりの仕事を選ぶことができます。
将来やりたいことが決まっている人はそれでもいいし、まだよくわからないという人もそれでいいと思います。ただ大切なことは、何かを決めるとき、最後は自分で決める。それは、自分の決めた結果で何が起こったとしても、自分で責任をとるということです。
そういう生き方が、一番幸せで、一番おもしろいと思います。
範囲=限られた広さ
可能性=できるということ
選択=選ぶこと
広い世界を見て、自分らしい生き方を見つけていきたい。
ケイティ:
ありがとうございました!
クリエイターってどんな仕事?
・動画やパンフレットなどをデザインし作り上げる(梅﨑さんの場合は会社の紹介)
・会社や人の魅力を説明する
・会社と仕事を探している人の間に立って、デザインや映像の力で伝わるべきことをきちんと伝わるようにする
クリエイターの魅力
・目立たない、あまり知られていないけれど、必要な仕事にスポットライトを当てることができる
・働いている人にも自分の仕事の価値を感じてもらえる
・自信を持つきっかけになることがある
・人が必要としている商品を生み出すことにもつながる
大変なこと
・締め切り以外に終わりがなく、「もっと」と思うと切りがない
クリエイターという仕事をおすすめできる理由
・本当に価値のあるものにスポットライトを当てることができる
・人の頑張りを周りに伝えることができる
「働く」と「お金」の関係
・働くとは、周りの人を楽にすること
・みんなでお互いに助け合うことが必要
・「ありがとう」が形を変えてお金になっている
・お金があることで、働く仕組みがうまくいっている
梅﨑さんの思う大切なこと
・どの仕事もみんなの生活を支えている
・協力することで、一人ではできないこともできるようになる
・人の役に立つということが自分の幸せ
・いろんな大人に話を聞いて選択肢を広げる
・何かを決めるときは、最後は自分で決める
こんなお話もしました
ケイティ:
子どもの頃のお話が出てきましたが、憧れていた人物はいますか?
マザーテレサです。
インドのカルカッタという、貧しい人たちが多く住んでいる地域があります。食べ物などもない。道端でどんどん人が死んでしまっていた場所です。
マザーテレサは「死を待つ人の家」という施設を作りました。誰にも声をかけられず死んでいきそうな人たちをそこに連れていき、天国に行くのを見守りました。もともと裕福なおうちで生まれ育った人なんですが、一番貧しい人たちのためにと活動していたそうです。
自分は恵まれているにもかかわらず、人のために一生を捧げるというマザーテレサの気持ちを尊敬しています。
施設=建物、場所
裕福=お金があること
尊敬=そうなりたい、すばらしいと思うこと
ケイティ:
名前は聞いたことがありましたが、どんな人かは知りませんでした。その気持ちは、仕事を決めるのに影響しましたか?
そうですね、今思えば、もしかしたらつながっていたかもと思うことがあります。
マザーテレサは、道端で誰にも見向きをされず亡くなっていく人たちに「あなたの命には価値があり尊いものですよ」と伝えていました。
私は今、人にあまり知られていない会社が採用できるようにお手伝いをしています。
価値があってとても大切な仕事なのに気づかれていない。そんな会社を、周りの人たちに「この会社には価値がある」と伝えていることは、どこか関係しているかもしれないですね。
亡くなる=死んでしまうこと
尊い=代わりのない、とてもすばらしいものであること。
梅﨑さんが大切に思っている、瀬戸内の美しい海。
梅﨑さんのTwitter
瀬戸内かわいい部
せとかわデニムプロジェクト
【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:ケイティ
編集部:スナミアキナ、吉川由
サムネイル写真撮影:鈴木ヘレン
ライティング:吉川由
サムネイルデザイン・編集:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO