今回のお相手:かじわらまみこさん
コンテンツディレクターという仕事を生業としている。香川県出身。学生時代から香川県外に住んでいたが、今は家族で香川に戻ってきて暮らしている。二人の子どものママ。スポーツが好きで、生まれ変わったらアスリートになりたいとも思っている。でも人前はちょっと苦手。
子ども取材班
No.3 るったん:
勉強や書道を一生懸命頑張っている。将来の夢はディズニーの社員。
生活をするためにお金を稼ぐ仕事のことを「生業」といいます。おしごとメディアNARIWAIでは、働く大人に「仕事」と「お金」の関係についてお話を聞いていきます。
今回のゲストはかじわらまみこさん。コンテンツディレクターです。コンテンツディレクターって、いったいどんなお仕事なのでしょう?
るったん:
よろしくお願いします。
かじわらさん:
よろしくお願いします。
作りあげるということが楽しい
るったん:
子どもの頃、どんな大人になりたかったですか?
子どもの頃、ずっとバドミントンを習っていました。選手になりたいと思ったこともありました。それとは別に、バリバリ働く女性になりたかったです。何がやりたいとかは特になかったんですけどね。
るったん:
なぜそう思っていたんですか?
バドミントンは、その世界に目指している選手がいました。その人のようにみんなを感動させる選手になりたかったからです。
働く女性は、なんだろう……母親が専業主婦だったんだけど、自分はそうではなく、働いていろんな人と関わったり何かを作りだしたりしたかったんです。だからかな。
専業主婦=料理、洗濯、掃除など、家でのことを仕事にしている人。
るったん:
バドミントンの選手に憧れてたんですね。
はい、宮村愛子選手に憧れてましたね。
宮村愛子選手=アトランタオリンピックにも出場したバドミントン選手。
るったん:
かじわらさんの職業名は何ですか?
うーん……ウェブコンテンツのディレクションというのをしているんですが、何と言っていいのか。
るったん:
コンテンツディレクター?
それにしよう!(笑)
るったん:
調べたら出てきました。
え、今調べながらやってるの!?すごいな!(笑)
るったん:
Google先生で聞きました(笑)。つまり何をしているお仕事なんですか?
私は香川に住みながら、県外の企業のコンテンツディレクションをしています。離れているスタッフと連絡を取り合いながら、その企業や商品のこと、スタッフの想いなどを知ってもらうために、必要なコンテンツを見つけ出すお仕事です。
コンテンツというのは主にブログですね。私はスタッフのみなさんに「こういう記事を書いてくださいね」と頼んでいます。そうやってその企業やスタッフのことが届いてほしい人のところに届くような記事作りができるよう頑張っています。
Google=会社のひとつ。インターネットでものごとを調べるときに使われるシステムを作っている。入力するだけでいろんなことがわかるので、わざと「先生」と呼ばれることがある。
コンテンツ=メディア(情報を手に入れるときに使うもの)で使われる文字、音声、動画などのこと。ブログやYouTubeなどもコンテンツのひとつ。
ディレクション=監督のような仕事。予定を立てたりみんなをまとめたりして、どうすればうまく進められるかなどを考える。そして実際に進めたり指示をしたりすること。
企業=会社のこと。
構成=まとめたり組み立てたりすること。
Google先生で調べながら取材をしていました
るったん:
なぜその仕事をしようと思ったんですか?
ある日突然、頼まれたの!(笑)
るったん:
えっ!(笑)
もともとコンテンツディレクターを目指していたわけではないんです。前に働いていた会社で「ブログを使って商品を広める仕事があるんだけどやってくれないか」と頼まれたんですよ。やったことはなかったけど、だからこそ挑戦してみたいなと思ったんです。
その会社では今は働いていないけれど、その仕事を通して得た知識や経験を活かしてやっています。
るったん:
頼まれて始めたのに、今も続けているんですね。
そうそう。今はどこの会社にも入っていないフリーランスになりました。この人たちのために頑張りたい、もっと知ってもらいたい、広めたい、と思える方々に出会えたから続けているのだと思います。
フリーランス=会社に勤めるのではなく、自分の持っている力と仕事を結びつけながら、自由に仕事内容を決めて働いている人のこと。
るったん:
今の仕事は、面白そうだなと思ったからやってみたんですか?
そうだね。もともとなにかを生み出すことが好きなんです。簡単ではないけれど、そこに関わっているいろんなことを考えながら作り上げることが楽しいです。
毎日充実して働いているかじわらさん
誰かの心に響くようなコンテンツを作りたい
るったん:
どういうブログ記事を書いているんですか?
どんな記事にも目標(ゴール)や目的を決めます。それは誰かの役に立つものなのか、背中を押せるようなものなのか、その会社に入りたくなるようなものなのか、というように。内容はその会社やスタッフの想いや仕事や商品のことなど内容はいろいろあるけれど、読んでもらった人の心に響くようなコンテンツを作りたいと思ってやっていますね。
るったん:
どうやったらコンテンツディレクターになれますか?
「インターネットの中で情報はどうやって見つけられるのか」などについて勉強をすると、コンテンツ作りについてだんだんわかるようになってきます。勉強をしつつたくさん記事を書くなどして、自分の頭と体を使って学んでいくのがおすすめです。
るったん:
資格は必要ですか?
いらないです。でもさっき言ったように、勉強し続けることが大切だと感じています。
るったん:
この職業の魅力と大変だと思うことは何ですか?
魅力は……私にとっては2つあって、1つ目は日本全国どこにいてもできること。
県外の企業さんと香川にいても仕事ができて、家にいながら働けます。
2つ目は、やったらやったぶん良くも悪くもしっかり反応が返ってくること。記事を読んだ方の嬉しい反応やそれに対するスタッフの反応を直接知ることができる。そこがやってよかった、頑張ってよかったと思える魅力です。
大変なことは、算数みたいに絶対的な正解があるお仕事ではないこと。それを探すために、少しでも良い結果につながるように頑張らないといけないことですかね。あ、スタッフに会いたいときにすぐ会えないことも私にとっては大変なことです。
絶対的=「1+1=2」のように、決まった答えがあること
日本全国どこにいても働けるのが魅力のひとつ
想いや強みを形にする
るったん:
なるほど……。かじわらさんは広告を作っているわけではないんですか?
はい。記事自体がたくさん読まれて、広告のようになったら良いなぁと思っています。作っている記事はブログといっても日記のようなものではないんです。
例えば写真を撮る仕事の会社なら、写真の役割とは何か、どんな想いで写真を撮っているか、どうすればおうちでも綺麗な写真が撮れるか、などの記事を作ります。写真に関することを検索したときに、「役に立ったな」「わかりやすいな」「写真を撮ってもらいたいな」「自分でも撮ってみようかな」と思えるような記事を書いてもらうんです。
検索=探すこと
るったん:
かじわらさんは記事を書かないんですか?
そうですね。私は「こういう記事を書いてください」という「構成案」というものを作っています。できたものを見てさらに良くなるよう書き加えたりして編集することはありますよ。
るったん:
記事の内容はCMですか?
「買ってね!」ということは書かないですね。
るったん:
じゃあどういう部分を書いているんですか?あまりイメージがわかなくて。
そ、そうだよね、難しいよね!(笑)
えーと、今とある写真を撮る会社のコンテンツディレクションをしています。そこにはカメラマンさんたちが何人かいます。カメラマンさんそれぞれに、写真について思っていることやどんな気持ちでお仕事やお客様と向き合っているか、などについて記事にしてもらっています。あとは写真の撮り方のアドバイスを書いてもらうこともあります。
私はそういう記事を書き続けることで、カメラマンさん一人一人にファンがついてほしいという願いもあります。
だからこれは「お仕事ください!」というアピールではありません。思いがきちんと伝われば、ファンが生まれます。思いがしっかりあれば、お仕事にもつながります。その思いを形にするために記事を作っています。私はそれをサポートすることが仕事ですね。
スタッフさんたちを、陰でそっと支えている
るったん:
アピールではないけど、お客さんの反応は記事の前と後で変わりますか?
つながっていくと思います。考えや思いが伝わっていく。普段、思いを言葉や文字にすることって少ないんですよね。それを形にするってすごく大事だと思います。
お仕事内容や相手への気持ちを、あたたかく丁寧に話してくださったかじわらさん。
後編ではコンテンツディレクターとしての思いや、働くことと「仕事」と「お金」の関係についても聞いていきます。
【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:るったん
編集部:スナミアキナ、吉川由
写真提供:鈴木ヘレン、Kuppography
ライティング:吉川由
サムネイルデザイン・編集:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO