今回のお相手:加賀一輝さん
スポーツメディアの編集者を生業としている。子どものころから野球が好きで、プロ野球選手になりたかった。大学に進むときに名古屋から東京にやってきた。不動産で働いた後、フリーのアナウンサーやライターになり、今はスポーツ専門情報サイトを運営する会社で働いている。2015年の野球シーズンが始まる前には、今ロサンゼルス・エンゼルスの選手である大谷翔平選手のムック本にライターとして参加した。中日ドラゴンズを応援して25年。
子ども取材班
No.1 ケイティ:
空手や書道を一生懸命がんばっている。空手で館長賞を取ったことが嬉しかった。
No.3 ゆう:
英語や水泳を一生懸命がんばっている。英語のスピーチコンテストに選ばれたのが嬉しかった。
「働く」と「お金」について
―ここからは、「働く」ことと「お金」の関係についてもお聞きしていきましょう。働く大人はこの二つについてどのように考えているのでしょう?
ケイティ:
まずは、「働く」ということについてどう思いますか?
働くってね、大変だよね。大変なんだよ。お父さんお母さんを見ていると分かると思う。「働く」って言葉があるけど、その反対って「働かない」だよね?働かないとどうなる?
ケイティ・ゆう:
うーん……。
家に住めなくなるとか、ご飯が満足に食べれなくなるとか、想像できない大変な思いをしちゃうことがあるのね。でも働くことができれば住むところはちゃんとあるし、ご飯も食べられるし、時々はディズニーランドに行けたりもする。自分や家族が生きるためには、必要なことなのかなと思います。
ゆう:
じゃあ「お金」についてはどう思いますか?
あったほうがいいと思います。ぼくは今よりももう少し若い頃に、「お金って最低限はないと大変だ」という経験をしたことがありました。諦めなきゃいけないこともあったし、せっかくのチャンスやいろんな仕事の誘いやお願いを、お金がなくて断ることがありました。
そのときに辛くて、「あぁやっぱり最低限お金は必要なんだ」と思ったので、お金はあるに越したことはないですね。お金はそれなりにあった方が自分自身で決められることも多くなるし、行動できる範囲も広がっていくな、と今は思います。
ケイティ:
そのお金を「稼ぐ」ということについてどう思いますか?
お金を「稼ぐ」という言葉は、あまりぼくら日本人にとってはいい言葉ではないと思われることもあります。お金を持っている人を羨む気持ちが出て、足を引っ張ることもあったりしますね。
でも別にお金を稼ぐって悪いことじゃないと思います。ちゃんと自分で働いて、求められ仕事をしたり、自分で頑張ったりしたことがあったら、それに対してそのお金をもらう。頂く。それが稼ぐってことだと思います。働くというのは稼ぐということとほぼ同じことかなと思います。「働く=稼ぐ」です。
ゆう:
じゃあ「働く」と「お金」の関係も、イコールですか?
うん、イコール。ほぼイコールだと思います。100%ではないけれど、働くということはお金と、そしてお金を稼ぐこととほぼ同じだと思います。
ケイティ:
なるほど。
ゆう:
働いたお給料はどうやって決まるんですか?
会社に勤めてる人はほとんどそうなんだけど、それはその会社が稼いだら、ぼくらの給料も上がります。たくさん稼いだ分ボーナスがもらえたり。まずその会社によるっていうのと、それプラス自分がまわりのみんなよりも結果を出すとか、成績に合わせてその給料の金額なども変わってきます。
ゆう:
加賀さんは今のお給料に満足していますか?
あぁ~そういうことも聞くんだね(笑)。いやぁまだまだじゃないですかね。昔お金がなくていろいろ諦めなきゃいけないことがたくさんあったので、そのときよりは多くは稼げてはきていますが。やっと少し満足し始めたぐらいかな。でもまだまだ。もうちょっと稼ぎたいですね。
お金を稼ぐことは、悪いことじゃない。
好き、がいつか誰かの力になるかもしれない
ケイティ:
毎日働いていると思うんですけど、なんのために働いているんですか?
今話したように「お金を稼ぐため」というのはもちろんそうです。あとぼく結婚をしていて奥さんがいるんだけど、奥さんとちゃんと生活ができて、生きられて、ごはんを食べられるようにするためでもあります。
そしてスポーツの魅力を伝える仕事をしているので、ちょっとでも「スポーツっていいなぁ」とか、「楽しいなぁ」などそういった想いをそれぞれみんなの心の中に伝えるためかな。
ゆう:
これからやっていきたいことは何ですか?
まずは「伝える」ことを続けていきたいのが一番です。意外と続けるって難しいんです。イチロー選手って聞いたことあるかな?2人とも。
ケイティ・ゆう:
はい。
イチロー=元オリックスブルーウェーブ(現オリックスバファローズ)&メジャーリーガーのイチロー選手のこと。
イチローさんはプロの世界で10年も20年ヒットを打ち続けてきました。そんなイチローさんも、やっぱり続けることが一番大変だと言っていました。ずっと同じことをやり続けることを人生のひとつの目標としていたんだと思うんです。ぼくも続けることを大事にしたいですね。
―加賀さんは31歳になられたんですよね。
はい。自分より下の年齢の人たちを後輩というんだけど、僕にも後輩ができてきました。そういう若い子たちと一緒に何かおもしろいことや新しいことがしたいですね。
ケイティとゆうちゃんはまだ働き出すまであと10年ちょっとあるのかな?そのときはぼくが偉くなってて、2人が「一緒に仕事したいです!やりたいです!この会社に入りたいです!」と言ったときに「ぜひうちで働いてね」って言えるぐらいの立場にならなきゃなと思います。偉くなっていたいですね (笑)。
ケイティ・ゆう:
入りたいです!(笑)
ケイティ:
では最後に、子どもたちへのメッセージをお願いします!
もっとスポーツのこと好きになってほしいです。そしてケイティとゆうちゃんは今空手や水泳をやっているけど、それを満足できるまで続けてほしいです。
みんな結果が出なくて、辞めたいなぁと思うことがあるかもしれない。でもそのスポーツのことを嫌いにならないでいてくれたら嬉しい。ぼくはずっと野球が好きでした。そして今それを仕事にすることができたので、みんなも自分の好きなことはずっと好きでいてほしいです。
自分自身に正直でいてほしい。そうすれば、大変な時期がこのあと来るかもしれないけど、いつかそれで自分が救われたり、もしかしたら周りのみんなも救えるかもしれない。
自分の好きなことは大きくなっても続けてほしいですね。好きな仕事に就くことができたり、いつか誰かを助けてあげれるかもしれないから。
ケイティ:
空手を続けます。
ゆう:
英語を頑張ります。
ケイティ・ゆう:
ありがとうございました!
2人が加賀さんに選んだ取材のお礼は、編集者に必要がありそうなダイソーのアイテムたちでした!
編集者ってどんな仕事?
・どうすれば情報がみんなに届くかを考える
・ライターが書いた文章をかっこよくまとめる
・できた文章をみんなに届ける
・書く人と読む人をつなげる
スポーツメディアの編集者の魅力
・スポーツのすばらしさやおもしろさをみんなに伝えられる
・おもしろいことをしたら「おもしろい!」と言ってもらえる
大変なこと
・周りと休みを合わせるのが難しい
スポーツメディアの編集者という仕事は、どんな人におすすめ?
・スポーツに熱い思いがある人、スポーツのすばらしさを伝えたいと思っている人
「働く」と「お金」の関係
・稼ぐことは悪いことではない
・働く=お金。ほぼ同じ意味がある。
・自分で働き、求められていることやそれ以上のことをしてお給料をもらう。生活していくためにお金は必要。
・お金があることでチャンスをものにできることもある。
加賀さんの思う大切なこと
・好きなことを続ける
・自分自身に正直でいる
・続けることで好きなことを仕事にしたり、いつか誰かを助けることができたりするかもしれない!
こんなお話もしました
今までで一番大変だった仕事はなんですか?
高校野球の速報を、自分でやりたかったんです。
速報=一球一球の結果や試合の結果を伝えること。
春と夏にやっている高校生の野球の大会を「甲子園」と呼んでいるんですが、その甲子園をかけた戦いを速報しようとしました。
これはすごく難しいもので、たくさんの人たちを説得しなくてはいけませんでした。誰もやったことがなく、難しいことだからです。でもこれを実現すれば、今までやったことないことができるし、みんなが喜んでくれると思いました。
そして、できました。その時、佐々木朗希くんという163km投げるすごいピッチャーがいて、彼がいる高校の試合の情報をお伝えしました。
それがとても好評で、みなさんに喜んでいただきました。たくさんの人にその速報を見ていただけて、会社もみんなも喜びました。
佐々木朗希=岩手県立大船渡高等学校の選手のこと。2020年4月からプロ野球の千葉ロッテマリーンズへ。
好評=評判がいいこと
―もちろん一番嬉しいのは加賀さんですね。
おもしろいことや、ちゃんと伝えたいことが伝えられて嬉しかったです。ちゃんと結果を出したので、給料を多くもらいました。大変だったけど、その分ちゃんと結果にも、稼ぐっていうところにも結果が表れました。
今まであんまり自信が持てなかったんですが、自分自身にも少しだけ自信が持てました。一番大変だったけど、頑張ったなって思うできごとです。
【子どものためのおしごとメディアNARIWAI】
子ども取材班:ケイティ、ゆう
編集部:スナミアキナ、吉川由
写真・ライティング:吉川由
サムネイルデザイン・編集:スナミアキナ
編集長:吉川由
主催:YOKARO